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3.1 文書を開く

3.1.2 起動時文書を利用する

プログラムを起動した時に空白の文書が最初に表示されるということは,デフォルトのシェルが 空白であることを示しています. 新しく開いた文書には一時的にUntitled1 という文書名が付き ます. デフォルトの文書をそのまま利用する場合は,空白の操作画面に文字や数式を入力します. 他のシェルを利用する場合は,ここで改めて新規文書用のシェルを選択します.

Note 起動時文書に他のシェルを設定することもできます. 詳細は第13プログラムのカスタ マイズ”を参照してください.

3.1.3 文書の新規作成

文書を新規作成する場合は最初にシェルを選択します.目的とするデザインにより近いシェルを 選択することで,複雑な文書もスムーズに作成できます.

特にタイプセット出力を実行する場合は,そのデザインが目的通りのものか,良く確認してシェ ルを選択します. シェルの種類,例えば,アーティクル,書籍など,これを間違えると,タイプセッ ト出力は全く異なったものになってしまいます. また,目的の種類のシェルであっても,必要な文 書要素がシェルに予め用意されていることを確認することも大切です. 特にフロントマターの構 成や定理型環境の有無については気を付けてください. 前にも触れたように,作成した文書を新た なシェルとして利用することもできます. 文書を効率よく作成するためには,最初に目的に適した シェルを選択する事が重要です.

Note シェルの選択は慎重に行ないましょう. シェル毎に利用できる文章要素が異なります. 後か ら,他のシェルに変更することは可能ですが,トラブルの原因になる場合があります. 最終的なタイプセット出力がハッキリ決まっていない場合は,とりあえず,標準的なLATEX シェ ルを利用して文書を作成します. 特に,その文書を投稿したり,出版社に提供する場合は標準的な LATEX シェルを使います. 標準的なLATEX シェルを利用する事で,一般的なLATEX システムを 利用しているWindows, Mac, Unixのユーザと文書を共有できます.

シェルを選択するとサンプル文と一緒に, スタイル,ページ設定,印刷オプション,タイプセッ ティング仕様の情報が新規ファイルにコピーされます. 文書を保存するまでの間,ファイルには Untitled1 という一時的なファイル名が付きます. 新規文書を開くごとに,Untitled と連番で自動 的に命名されます.

新規文書を開く

1. 標準ツールバーの新規作成ボタン をクリック,または,ファイルメニューから新規作 成を選択します. 次の新規作成ダイアログが表示されます.

2. シェルフォルダのリストから,フォルダを選択します.

44 3 文書の基本操作

3. シェルのリストから,目的のシェルを選択し, OKボタンをクリックします.

選択したシェルのサンプル文とスタイル,タイプセッティング仕様の情報をコピーした新規 文書が表示されます. 従って画面に表示されるサンプル文の内容は選択したシェルによっ て異なります.サンプル文を一度削除して画面を空白にし,操作画面上に文書を入力します. 新規作成コマンドで開いたシェルには自動的にUntitledで始まるファイル名が付きます. この文書を操作することなく,新たにシェルから文書を開くと,最初に開いた新規作成文書 は自動的に削除されます.

3.1.4 既存の文書を開く

バージョン5では,文書を作成したプログラムのバージョンを問わず,既存の文書を開く事がで きます. さらに,既存の文書を異なるフォーマットで開くこともできます. ファイルメニューには 最近開いた文書の履歴が残りますから,これを利用すればワンタッチで目的の文書を開けます.

既存の文書を開く

1. 標準ツールバーから開くボタン をクリック,または,ファイルメニューから開くを選 択します.

2. ファイルを開くダイアログボックスで,目的のドライブからフォルダを選択します. 3. ファイル名のテキストボックスに文書名を入力します.

または

文書のリストをスクロールして,目的の文書を選択します. 全ての選択可能な文書を表示さ せるには,ファイル名ボックスに*.*と入力します.

または

複数の文書を同時に開く場合はctrlキーを押しながら文書を選択します. 4. 開くボタンをクリックします.

最近開いた文書を開く

1. ファイルメニューを選択します.

2. ファイルメニューの下の方にある最近開いた文書のリストから目的の文書を選択するか,

側の番号を入力します.

プログラムは選択した文書を画面に表示します. プログラムの起動直後にこの操作を行なう と,起動時文章は画面から自動的に削除されます.

3.1.5 異なるフォーマットの文書を開く

組込みの入力フィルタを使って,次に示すファイルフォーマットの文書を開くことができます.

• SW, SWP, SNBバージョン3.0以上で作成したラップファイル(.rap)

• SW, SWPバージョン2.5で作成したラップファイル(.msg)

• Quiz (.qiz)

• LATEX (.tex)

• ANSIASCII (.txt)

英文Rich Text Format (.rtf)

• TI, HP, Casioファイル(.txt)

• T3ファイル(.tex)

ラップファイルは文書とその関連ファイルを1つのテキストファイルにまとめたもので,文書を 他の場所へ移動する場合に便利です. SWP, SW, SNB における文書のラップおよびアンラップに 関する詳細は第12文書の管理を参照してください.

Quiz (.qiz) ファイルはExam Builderによって, TeX文書から生成されます. .qizファイルを

開くと, Exam Builderがファイルを読み込み,問題例を作成します. それらはオンラインで入手

したり,採点することが可能です. Exam BuilderQuiz (.qiz)ファイルに関してはオンライン ヘルプを参照してください.

プ ロ グ ラ ム は 一 般 のLATEX, ANSI, ASCII, RTF フ ァ イ ル を LATEX に 変 換 し ま す. し か し, ファイルによっては手作業で修正を必要とする場合もあります. 電卓からインポートしたファイル やT3プログラムで作成したファイルの場合は,特に事前の処理を実行しないと上手に開くことが できません. ASCIIファイルであれば,内容を修正する必要はありますが,どのプログラムで作成 したファイルでも開く事ができ,それらはLATEX 形式に変換されます.

◮異なるフォーマットのファイルを開く

1.標準ツールバーで開くボタン をクリック,または,ファイルメニューから開くを選択 するか,またはCrtlキーとoを押します.

2. ファイルの種類を示すボックスで,目的のフォーマットを選択します. 3. フォルダを選択します.

4. ファイル名を入力するか,ファイルを選択します.

カレントフォルダに全てのフォーマットのファイルを表示する場合はファイル名のボック スに*.*と入力します.そして目的のファイルを選択します.

5. 開くコマンドを選択します.

46 3 文書の基本操作

既存のLATEX ファイルを開く

一般のLATEX システムで作成したファイルの中にはプログラムで直接開くことのできるファイ ルもあります. しかし,そこに特定のLATEX コマンドが含まれている場合は,事前にテキストエ ディタでファイルを編集します. 特に\newcommand\def などのステートメントはトラブル の原因になります. また,マクロを使って定義した環境(\beginで始まり\endで終わる特別な 文) などもトラブルの元になります. 一般的にLATEX 文書に含まれる, LATEX とは異なるプレー ンTEX のコマンドが存在する場合は,これを対応するLATEX コマンド(例えば,arrayに対する matrix)に書き換える必要があります.

LATEX文書の読み込みと更新に成功したら, LATEX 文書を開き,改めてSW, SWP, SNB(.tex) の文書として保存します. プログラムはプリアンブルにコマンド\input{tcilatex}を挿入しま す. (文書をポータブルLATEX 形式で保存すると,上記のコマンドは挿入されません. ポータブル LATEX で保存する方法は55ページを参照してください.)

ASCIIおよびANSIファイルを開く

プログラムで任意のファイルを開く場合, ASCIIおよびANSIフィルタが起動します.このフィ ルタはLATEX では利用できない文字を除外し,次に示す特別な記号を適切に処理します.

{ } $ # @ % & \ | < > ˜

ANSIフィルタは上記のANSI文字を適切なLATEX文字に変換します.上記のANSI文字セット を含むファイルを開く場合は必ずファイルの種類としてANSIファイルフォーマットを選択して ください.

Note 一般のLATEX システムで作成した文書を開くときにASCIIANSIフィルタを利用しな いでください. 文書が破損する恐れがあります. テキストのインポートコマンドを利用して ください.

LATEX文書をASCIIANSIフィルタで開くと,画面には数式ではなく,その数式を構成する

LATEXコードが表示されます. その段階で文書を保存すると,プログラムはLATEXコードのまま 文書を保存してしまうので,再び文書を開いたときに数式がどのようなものであるか,分からなく なってしまいます. ですから,同じ文書名で文書を上書き保存すると数式や数式オンブジェクトは 復元できませんので,十分,注意してください.

英文Rich Text Format (RTF)ファイルを開く

一般のワープロソフトには, Microsoft RTFフォーマットの出力形式がサポートされています. プログラムにはRTFファイルのインポートフィルタが用意されています. RTFフィルタには

Microsoft Wordの数式エディタで作成した数式を,そのままインポートする機能があります.

ログラムは比較的正確にテキストをコンバートしますが,SWP, SW, SNB で開いたRTFファイ ルのタグの再設定やフォーマットの変更などが必要になる場合もあります. また,プログラムは数 式エディタのMathType3またはMathType5で作成した数式も正確に変換します. プログラム はウィンドウズのMetaファイル(WMF)とウィンドウズのビットマップファイル(BMP)を読